タンパク質は、筋肉や臓器・ホルモンなど、体のさまざまな部分で重要な役割をもつ栄養素です。 大人のタンパク質補給には、おやつ(間食)も見直してみることがおすすめです。この記事では、タンパク質不足が体に与える影響やタンパク質の種類、おやつの選び方などを解説します。健康生活の一環に、高タンパクのおやつをぜひ取り入れてみてください。
タンパク質が不足するとどうなる?
食事で摂取したタンパク質はアミノ酸に分解されて、体に必要なタンパク質の形に再合成されます。30〜50代の大人の体にタンパク質が不足すると、さまざまな影響が出てきます。
- 筋肉量が減少しやすくなる
- 肌の乾燥や髪のパサつき
- 脳の働きが鈍る
また、タンパク質が不足すると筋肉だけではなく、脳内の神経伝達にも影響し、集中力や思考力が低下することがあるとされています。高齢者の場合は、タンパク質やその他の栄養素の不足が原因で筋力や筋肉量が減り、転倒や骨折しやすくなる「虚弱状態=フレイル」に陥るリスクもあります。
一日に摂るタンパク質の目安
大人のタンパク質摂取量は、一日あたり男性60g、女性50gが最低限の目安です。
タンパク質50gは、豆腐なら3.4丁、ゆで卵なら7.7個、牛乳なら7.2杯に相当します。
50代以上はフレイル予防のため、さらに1.2倍〜2倍の量を摂取目標にすべきとされています。
(参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」)
タンパク質の動物性と植物性の違いは?
タンパク質には動物性と植物性があり、それぞれにメリットデメリットがあります。ここでは動物性タンパク質と植物性タンパク質の違いについて解説します。
動物性タンパク質は吸収率がいい
肉や魚、卵や乳製品など、動物由来のタンパク質を動物性タンパク質といいます。動物性タンパク質は必須アミノ酸9種をバランスよく含んだものが多く、体内での吸収率は97%です。良質のタンパク質を効率よく吸収できる点がメリットです。
【必須アミノ酸の桶理論について】
体内で生成することのできない9種類のアミノ酸を「必須アミノ酸」といいます。体内では量が少ない必須アミノ酸に合わせてタンパク質が生成されます。不足している必須アミノ酸があれば、折角摂取しても利用されません。
これは「桶理論」として説明されることが多くタンパク質の「質」を表現しています。必須アミノ酸ひとつひとつが桶の縦板1枚1枚と例えられ、板が1枚でも低いと桶には十分な水が溜まらず流れでてしまいます。これと同様に、ひとつでも必須アミノ酸量が不足していると十分なタンパク質が生成されません。
桶の板が欠けておておらず十分なタンパク質が生成される状態をバランスの良い良質なタンパク質といわれます。
植物性タンパク質はエネルギー量が控えめ
豆類や穀類、野菜、ナッツなど、植物由来のタンパク質を植物性タンパク質といいます。植物性タンパク質は必須アミノ酸が不足している、動物性タンパク質よりも体内での吸収率が低いといったデメリットがあります。一方で、動物性タンパク質に比べてカロリーや脂質が低く、水溶性ビタミンや食物繊維が摂れる点がメリットです。
大人におすすめ!タンパク質豊富なおやつ10選
ここでは、タンパク質が摂取できる、大人におすすめのおやつを紹介します。
< かまぼこ・伊達巻 >
かまぼこや伊達巻は、原料に白身魚の魚肉をたっぷり使っているため、良質なタンパク質が豊富です。かまぼこは低カロリー、低脂肪、高カルシウムな食品です。塩分が気になる人は、かまぼこよりもタンパク質量が多く塩分の少ない伊達巻で、高タンパクおやつを楽しみましょう。
< おつまみ類(さきいか、チー鱈、アーモンド小魚など) >
お酒のおつまみになる乾き物の中でも、さきいかやチー鱈、アーモンド小魚などは魚を使っているため、高タンパクで鄭脂質、カルシウムが豊富です。ただし、塩分が強いため、食事を薄味にするなど、1日の塩分量を調整しましょう。
< 大豆製品のおやつ >
大豆は、植物性タンパク質の食材としては数少ないアミノ酸スコア100の食材です。五目豆や炒り豆、きな粉+ヨーグルトなど、大豆やきな粉を使ったおやつがおすすめです。最近では豆腐を使ったスイーツも登場しています。
< サラダチキン >
コンビニエンスストアやスーパーマーケットで手軽に手に入るサラダチキンは、鶏胸肉を使用した低脂質・低糖質な高タンパク食品です。さまざまな味つけがあるため、変化をつけやすいのもメリットです。
< ヨーグルト >
ヨーグルトはタンパク質が摂れることに加え、乳酸菌により整腸作用も期待できるおやつです。水切り製法を用いたギリシャヨーグルトなら、より高タンパクで低脂肪のおやつになります。
< ゆで卵 >
卵は、食物繊維とビタミンC以外のほとんどの栄養素を含む「完全食」と呼ばれる高タンパク食品です。ゆで卵にすることで食べ応えのあるおやつになります。
< プロテインバー >
プロテインバーの多くは、1本あたり10〜30gのタンパク質が含まれています。食べ応えがあり満足度は高いものの、脂質や糖質も含まれるため、多くても2本程度に抑えましょう。
< チーズ >
乳が原料であるチーズは、動物性タンパク質が摂れるだけではなく、ビタミンAやビタミンB2、カルシウムも豊富です。ナチュラルチーズよりもプロセスチーズのほうが高タンパクです。
< おからスイーツ >
豆腐をつくる過程でできるおからは、植物性タンパク質だけではなく食物繊維も豊富です。小麦粉の代わりにおからを使ったクッキーやスコーン、シフォンケーキなどのスイーツは、低GI食品としてもおすすめです。
< アーモンド・ピーナッツ >
ナッツにはたくさんの種類がありますが、特に高タンパク・低脂質なのは、アーモンド・カシューナッツ・ピーナッツです。マカダミアナッツやくるみは脂質の含有量が多いため、1回で食べる量は手のひら1杯程度にしましょう。
高タンパクのおやつを食べるときの注意点
高タンパクのおやつを、より健康的に食べるポイントがあります。ここでは食べる時に注意すべき点を3つ解説します。
1.カロリーは200kcal程度に抑える
タンパク質補給のためのおやつとはいえ、カロリーを摂り過ぎると肥満の原因になります。大人のおやつは、不足している栄養補給だけではなく、夕食の食べ過ぎを防ぐ効果があります。
2.塩分や糖質に注意
塩分や糖質の摂り過ぎは、生活習慣病の原因にもなります。おつまみ類やおからスイーツなどはタンパク質を摂れますが、できるかぎり塩分や糖質が少ないものを選びましょう。裏の成分表を見る習慣をつけることをおすすめします。
3.食事の前後4時間空けられるタイミングにする
おやつに最適なタイミングは昼食後3〜4時間です。夕飯までに4時間ほど時間が空くとよいでしょう。活動量がある日中のうちにおやつを食べると余分なカロリーは消費されて、タンパク質が合成されやすくなります。
大人のおやつの選び方
いろいろな高タンパクおやつがある中で、どのようなものを選ぶとよいのでしょうか。ここではその選び方について解説します。
タンパク質の種類で選ぶ
タンパク質には動物性と植物性があります。アミノ酸が豊富で吸収率のよい動物性タンパク質と、低カロリーで食物繊維やビタミンも豊富な植物性タンパク質は、おやつを摂る目的や現状の体調に合わせて選びましょう。
脂質や食物繊維が一緒に摂れるものを選ぶ
大人がおやつでタンパク質を補給するのであれば、脂質や食物繊維も同時に摂れるものがおすすめです。脂質が不足すると満足感が得にくくなります。食物繊維は日本人に不足しがちな栄養素のひとつです。
手軽に摂れるもので続けやすくする
大人のおやつは不足しがちな栄養素の補給が目的であるため、続けられることが大切です。手軽に買いに行けたり準備ができたりするもの、バリエーションのあるものなどで、美味しさを感じながら続けられるようにしましょう。
高たんぱくのおやつはこんな人におすすめ
ここでは、高たんぱくのおやつがどのような人におすすめであるのか、タイプ別に解説します。
食事量が減ってきた高齢者
高齢になると食事量が減りがちです。低栄養で骨や筋肉が弱ることを防ぐためにも、タンパク質豊富なおやつがおすすめです。かまぼこや伊達巻、ヨーグルト、豆乳など、タンパク質とともにカルシウムも摂れるものがよいでしょう。
ダイエットをしている人
ダイエットをしている人におすすめの高タンパクおやつは、低カロリーで低脂質なかまぼこや植物性タンパク質の食品です。脂質や糖質の代謝を促すビタミンが豊富に含まれるナッツ類やチーズ、ソイプロテインがよいでしょう。
筋トレをしている人
筋トレをしている人のトレーニング前後の体には、消化吸収のよい動物性タンパク質がおすすめです。低糖質・低脂質の食品として、サラダチキンやゆで卵・おからスイーツなどがよいでしょう。
肌や髪の調子が気になる人
肌や髪の細胞の再生にはアミノ酸が欠かせません。肌や髪にはタンパク質だけではなく、ミネラルやビタミンも同時に補給できるナッツ類や大豆製品、チーズなどのおやつがおすすめです。
魚肉たんぱく豊富なかまぼこ・伊達巻はおやつにも最適
かまぼこや伊達巻は魚肉を主原料に作られています。魚は肉と同じようにアミノ酸スコア100の良質なタンパク質ですが、脂質は少なめです。牛肉に含まれるタンパク質よりも消化吸収率が高いというデータもあり、筋トレ中のタンパク質補給にも最適です。
魚を日々の食事で食べるには手間がかかるため敬遠しがちですが、魚肉タンパクが豊富なかまぼこ・伊達巻なら、大人のおやつとしても手軽に食べられます。
まとめ
タンパク質は不足すると筋肉量の低下だけでなく、内臓やホルモン、脳の働きにまで影響が及びます。タンパク質を摂取する際には、ダイエットや筋トレなど、状況に合った種類を選ぶことが大切です。
手軽なタンパク質補給として、おやつに高タンパク食品を取り入れてはいかがでしょうか。
お魚たんぱくで世界を健やかにする魚肉たんぱく研究所では、鈴廣のかまぼこの可能性を日々追求しています。