2025.02.05

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「体内時計」とは?仕組みや整え方を知って規則正しく健康的な生活を送ろう

「体内時計」とは?仕組みや整え方を知って規則正しく健康的な生活を送ろう

時間帯によって身体の働きが変化することを知っていますか。身体に備わる体内時計を整え、それに沿って1日を過ごすと、睡眠の質や体調の改善に役立ちます。この記事では、体内時計とは何かを解説し、整えるための1日の過ごし方を紹介します。

体内時計とは

人の身体には1日周期のリズムがあり、このリズムを調整する仕組みを「体内時計」といいます。日中は活動し、夜になると眠くなり休息状態に切り替わるのは、この体内時計の仕組みが関係しています。
そのほかにも、体内時計によって調節されている体の機能はさまざまです。ここでは、体内時計の仕組みと身体への影響について解説します。

体内時計を司るホルモン「メラトニン」

体内時計には、脳に存在する「中枢時計」と全身の臓器や筋肉などに存在する「末梢時計」の2種類があります。
中枢時計は光を手掛かりに時刻を認識し、覚醒と睡眠を切り替える時計です。また、自律神経の働きやホルモン分泌を通じて、末梢神経に時刻を伝える役割も担っています。
中枢時計のリズムを調節しているホルモンは、眠気を誘う働きのある「メラトニン」です。朝になり目から光を認識するとメラトニンの分泌が抑制され、身体が目覚め活動に適した状態になります。
光を認識してから14~16時間が経過すると、日中に日光を浴びた際に作られた「セロトニン」というホルモンを原料に、再度メラトニンが分泌されるようになるのです。こうして徐々に眠気が高まり、身体は休息状態に向かっていきます。

体内時計が制御する体の仕組み

覚醒と睡眠の切り替え以外にも、さまざまな体の機能を制御し1日の中で変動をきたすのも体内時計の特徴です。
例えば、体温は早朝に最も低く起床とともに上昇します。1日で最も体温が高いのは16時ごろで、その後は次第に低くなっていく仕組みです。
血圧も同様に、起床すると上昇し日中に最も高くなり、夕方から夜にかけて低下することが知られていますが、これには自律神経の働きが関係しています。自律神経は「交感神経」と「副交感神経」に分かれ、起床とともに交感神経が優位になり、夕方からは徐々に副交感神経が優位になります。
そのほか、ホルモンの分泌や消化機能、栄養素の代謝なども、時間によって調節されています。10~11時ごろには脳活動が活発になり、12時ごろは記憶力のピークを迎え、体力が最大になるのは17~18時ごろといったように、時間帯によって活発になる体の機能は異なるのです。

体内時計が乱れる原因

体内時計が作り出す1日のリズムは、正確な24時間周期ではありません。個人差はありますが、一般的には24時間より少し長いとされています。この周期のずれをリセットし時刻を合わせるには、朝に太陽光を浴びることが必要です。
朝の光を浴びないと体内時計がリセットされず、時刻が徐々に後ろにずれてしまいます。反対に夜に光を浴びることもメラトニンの分泌が妨げられ、体内時計が乱れる原因になります。
さらに、食事リズムの乱れも体内時計の時間がずれる原因のひとつです。朝食を抜く、夕食を遅い時間にとるなどの食習慣によって、末梢時計のリズムが後ろにずれることが知られています。体内時計を正常に働かせるためには、規則正しい生活習慣が大切です。

体内時計が乱れるとどうなる?

生活習慣の乱れによって体内時計が乱れると、覚醒と睡眠のリズムが正常に調節されず、不眠などの睡眠障害につながります。さらに、頭痛・倦怠感・食欲不振などの不調を引き起こす可能性もあるのです。
また、体内時計が乱れた状態を放置すると、自律神経やホルモン分泌の乱れから、肥満やメタボリックシンドロームの発症にも関係します。これらは糖尿病や高血圧、心臓病などの生活習慣病を引き起こす要因です。さらに、メンタルや認知機能にも影響することが知られています。

体内時計に合わせた【朝】の過ごし方

ここからは、体内時計をしっかりリセットしながら本来の体内時計のリズムに合わせて生活することで、健康を維持する方法を紹介します。
まずは、朝の過ごし方のポイント3つです。体内時計をリセットするには朝の過ごし方が重要になるので、ぜひ意識してみてください。

起きてすぐ光を浴びる

朝起きたらすぐにカーテンを開けて日光を浴び、中枢時計をリセットしましょう。できるだけ毎朝同じ時刻に起きて光を浴びるのがおすすめです。
休日に朝寝坊をして日光を浴びる時間が遅れると、体内時計がその分後ろにずれてしまい、平日の日中の眠気につながります。休日でも平日と同じ時間か、遅くとも2時間後までに起きるよう心がけましょう。

起床後1時間以内に朝食をとる

朝食には、内臓にある末梢時計をリセットし、中枢時計と同じ時刻で働くよう促す役割があります。全身の体内時計を整えるには、朝食を抜かずにとることが大切です。中枢時計との時刻がずれないよう、起きてすぐに食べるのが理想的ですが、遅くても起床後1時間以内には食べましょう。
体内時計を整える効果が高い朝食は、糖質とタンパク質が一緒にとれる食事です。糖質はご飯やパン、タンパク質は主に魚・肉・卵・大豆製品・乳製品からとれます。鮭おにぎりやツナサンド、卵かけご飯や納豆ご飯など、手軽にとれる組み合わせで取り入れてみましょう。

生活の中で体を動かす

朝から体を動かすことは、筋肉にある末梢時計をリセットする働きがあります。朝は忙しく運動が難しい場合は、通勤で歩く、掃除や洗濯、ゴミ出しといった家事をするなど、生活の中で体を動かす機会を習慣的に作るのがおすすめです。

体内時計に合わせた【昼】の過ごし方

朝に体内時計をリセットすることで、日中の時間帯は活発に活動できます。ここでは、昼間の過ごし方のポイントを2つ解説します。

朝食から約5時間後に昼食をとる

昼食は、朝食をとってから5時間後にとるのが理想的です。8時に朝食をとった場合は、13時ごろを目安に昼食をとるとよいでしょう。
日中は、消化吸収に関係する臓器が活発に動く時間帯です。また、昼ごろからは脂肪を蓄積する働きのあるタンパク質「BMAL1」が減少します。この時間帯に食事をすることで、肥満を予防し消化の負担も少なく済みます。

15時ごろに昼寝をする

体内時計は1日周期のほか、半日周期のリズムもあることが知られています。眠気が最も強い時間帯は夜の2~4時ですが、その12時間後である15時ごろも、夜よりは弱いものの眠気を感じやすい時間帯です。
夜の睡眠が不足している場合は、15時ごろに昼寝をするのがおすすめです。平日が難しい場合は、休日に朝寝坊する代わりに実践してみましょう。
ただし、寝すぎるとかえって起きてから頭がぼんやりしてしまいます。昼寝の時間は20分前後が最も効果的です。また夕方以降の仮眠は、夜の寝つきを妨げる可能性があるため避けましょう。

体内時計に合わせた【夜】の過ごし方

夜は、身体が徐々に休息モードに入っていく時間帯です。夜の過ごし方によっては、体内時計の時刻がずれてしまう原因になります。そうならない為にも、体内時計に沿って生活するためのポイントを4つ紹介します。

17~18時ごろに運動する

夕方は肺や心臓の動きが活発で、筋肉も柔軟に動かせる時間帯です。またこの時間に運動をすると、数時間後に体温が下がり夜に眠りに入りやすくなります。
20~30分程度で、無理なく続けられる強度の有酸素運動がおすすめです。毎日決まった時刻に行うと習慣化しやすいため、取り組む時間を決めて継続しましょう。
なお、19時以降の運動は体内時計を後ろにずらす働きがあるため、夜の運動は避けましょう。

寝る4時間前からカフェインをとらない

カフェインに覚醒作用があることはよく知られています。夜にカフェインを摂取すると寝つきにくくなるだけでなく、体内時計の時刻を中枢時計・末梢時計ともに後ろにずらし、リズムを乱してしまう原因になります。
カフェインの作用は摂取してから3~4時間持続するため、寝る4時間前からはカフェインの摂取を避けましょう。カフェインはコーヒーだけでなく、日本茶や紅茶、ココア、栄養ドリンク、チョコレートなどにも多く含まれています。

20時ごろまでに夕食を食べ終える

夕食は、20時ごろまでに食べ終えるのが理想的です。夕食後から朝食前までの絶食時間を12時間以上とることで、朝食での体内時計のリセット効果が高まります。
夜遅い時間の食事は、体内時計がずれる原因のひとつです。また、消化吸収能力が落ちている時間帯であるため、内臓への負担もかかります。消化が十分に進まず胃もたれを起こし、翌朝に朝食を抜きがちになることからも、遅い時間の食事は避けると無難です。
ただし、仕事の都合などで20時までに夕食をとるのが難しい場合もあるでしょう。
その場合は以下の2つの対策をして、悪影響を抑えるのがおすすめです。

遅い時間の夕食のコツ①夕方に補食をとり夕食の量を減らす

17~18時ごろに補食をとり、遅い時間の夕食の量をその分減らすことで、消化の負担を軽減します。また、体脂肪の蓄積の予防にもつながります。
補食にはおにぎりやサンドイッチ、バナナ、甘栗、干しいも、シリアルバーなどがおすすめです。食べるのが難しい場合は、牛乳や豆乳などの飲み物でもよいでしょう。間食とは区別し、お菓子や菓子パン、甘い飲み物は避け、栄養を補えるものを選ぶことが大切です。

遅い時間の夕食のコツ②消化によいものを食べる

遅い時間の夕食は、消化への負担が少ないものを選びましょう。ごぼうやたけのこ、山菜など繊維質の多い野菜は消化に時間を要します。これらの野菜はできるだけ避け、キャベツやほうれん草、白菜などの葉物野菜、大根や人参、かぼちゃなどの煮ると柔らかくなる野菜を選ぶとよいでしょう。
また、脂質が多いと消化に時間がかかるため、メインディッシュは白身魚や脂肪の少ない肉、卵、豆腐料理などがおすすめです。揚げ物や炒め物など油の多い料理は避け、煮る・ゆでる・蒸すなどの方法で調理しましょう。

 

夜遅くの食事のメイン食材には、低脂質なかまぼこがおすすめです。切るだけで食べられる便利さからも、疲れて帰った夜遅くの食事に適しています。魚の良質なタンパク質を、かまぼこで手軽に取り入れてみましょう。

寝る前にスマートフォンなどの画面を見ない

スマートフォンやテレビ、PCなどの画面から出るブルーライトには覚醒作用があり、メラトニンの分泌を抑制するため、寝つきが悪くなる恐れがあります。寝る30分前からはこれらの画面を極力見ないように心がけましょう。

体内時計をリセットし体調を整えて健康的な生活を送ろう

体内時計は自律神経の機能やホルモン分泌など、さまざまな体の働きを1日周期で調節しています。正確な24時間周期ではなく少し長い傾向があるため、毎朝規則正しく日光を浴びたり、食事や運動によって時計をリセットしたりすることが大切です。
朝から夜を通して体内時計に合わせて過ごすことで、睡眠のリズムや体調を整えるのに役立ちます。今回紹介した過ごし方を実践し、健康的な毎日を送りましょう。

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