2024.12.16

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健康に欠かせない「五大栄養素」とは?それぞれの役割や主な食品をご紹介

健康に欠かせない「五大栄養素」とは?それぞれの役割や主な食品をご紹介

私たちの身体はすべて、食べたものから作られます。健康な身体を維持するためには「五大栄養素」の摂取が欠かせません。この記事では、五大栄養素とは何か、体内での役割や含まれる食品について解説します。五大栄養素をバランスよくとる方法を知り、食生活に取り入れてみましょう。

五大栄養素とは

身体の働きを正常に保ち健康を維持するためには、日々の食生活で五大栄養素を摂取することが大切です。まずは、五大栄養素がどんな成分で構成されているかを把握しましょう。

人間の身体に必要な5種類の栄養素

五大栄養素は、以下の5種類の栄養素をまとめた総称です。いずれも人間の身体を働かせるために、食事から取り入れる必要のある栄養素です。

五大栄養素を構成する成分一覧

  • タンパク質
  • 脂質
  • 糖質
  • ビタミン
  • ミネラル(無機質)

三大栄養素・六大栄養素とは?

身体に必要な栄養素をまとめて、三大栄養素や六大栄養素と呼ぶこともあります。
三大栄養素は、タンパク質・脂質・糖質を指します。いずれもエネルギー源になる栄養素です。六大栄養素は、五大栄養素に食物繊維を加えた呼び方を指します。
食物繊維は体内に吸収されませんが、健康のために重要な役割を持つ成分です。コレステロールや塩分を排出する、食後血糖値の上昇を抑制する、腸内環境を整え排便をスムーズにするなどの効果が知られています。

五大栄養素の3つの働きとは

五大栄養素は、大きく分けて3つの働きがあります。ここでは3つの働きと、それぞれに関わる栄養素を解説します。

力や熱を生み出すエネルギー源になる

五大栄養素は体内で代謝されることでエネルギーに変換され、身体を動かしたり体温を保ったりするのに使われます。この役割に関わる主な栄養素は、糖質と脂質です。糖質は1gあたり4kcal、脂質は9kcalのエネルギーを産生します。
糖質と脂質が不足した場合は、タンパク質をエネルギー源として使います。タンパク質が産生するのは、糖質と同じく1gあたり4kcalのエネルギーです。

体を作る

五大栄養素は、筋肉や臓器、骨、髪、爪など、身体のさまざまな組織を構成します。この働きに関わる主な成分は、タンパク質とミネラルです。特に骨には、カルシウムやリンなどのミネラルが多く含まれます。

体の調子を整える

五大栄養素は、栄養の代謝や各臓器の働きを助け、身体全体の機能を正常に保つのに役立ちます。この役割を主に担っている成分は、ビタミンやミネラルです。タンパク質や一部の脂質も、ホルモンや神経伝達物質として体の働きを支えています。

五大栄養素それぞれの特徴&多く含まれる食品

ここでは、五大栄養素それぞれの働きと、多く含まれる食品を紹介します。

タンパク質

20種類のアミノ酸が多数つながってできた物質で、身体を作る主な成分です。そのため、アミノ酸の組み合わせや種類によって形や働きが異なるのです。

摂取したタンパク質はアミノ酸に分解された後吸収され、身体に必要なタンパク質の合成に使われます。筋肉や臓器、皮膚などの組織を構成するほか、消化・吸収・代謝など化学反応を促進する酵素やホルモン、免疫を司る抗体などもタンパク質から作られます。

タンパク質を多く含む食品は、魚介類・肉類・卵・大豆製品・乳製品です。それぞれの食品によって含まれるアミノ酸の種類や構成バランスが異なるため、さまざまな食品を食事に取り入れ相補的に効率よくタンパク質を摂取しましょう。

脂質

三大栄養素の中でも、最も高いエネルギーを生み出します。エネルギー源になるほか、細胞膜やホルモンを作る栄養素です。体脂肪として体温を保つ、臓器を保護するなどの働きもあります。

脂質を多く含む食品は、植物油やバター、生クリーム、チーズ、ナッツ類です。また、魚類ではサンマ、ブリ、イワシなどの青魚に、肉類ではバラやロースなどの部位に多く含まれています。

脂質を構成する主な成分は脂肪酸で、肉類やバターなどの動物性の脂肪には飽和脂肪酸、植物油や魚には不飽和脂肪酸が多く含まれます。

飽和脂肪酸は、血中の中性脂肪やコレステロールを増加させることが知られています。飽和脂肪酸を減らして不飽和脂肪酸に置き換えると改善が見込めるため、肉料理やバターの摂取が多い場合は頻度を控え、魚や大豆製品、植物油に替えるとよいでしょう。

糖質

体内では血液中や筋肉、肝臓に存在し、エネルギー源として使われます。他のエネルギーを生み出す栄養素と比べ、すぐにエネルギーに変わるのが特徴です。ただし、糖質をとりすぎてエネルギーが過剰になると体脂肪として蓄えられるため、適量摂取を心がけましょう。

糖質を多く含む食品は、米や小麦などの穀類、いも類などです。食事ではご飯、パン、麺などの主食が主な糖質源になります。

ビタミン

身体に微量存在し、機能を正常に保つのに必要な有機化合物を指します。全部で13種類知られており、それぞれ体内での役割が異なります。ビタミンは体内で合成できないものや、作られても微量であるという特徴をもつため、食品からの摂取が必要です。

ビタミンは、脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンの2種類に分けられます。脂溶性ビタミンにはビタミンA、D、E、Kが該当し、水溶性ビタミンにはビタミンB群(B1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン)とビタミンCが該当します。

それぞれのビタミンの働きと、多く含まれる食品の一覧表は以下のとおりです。

ビタミンの種類 主な働き 多く含まれる食品の例
ビタミンA 目や皮膚、粘膜の働きを正常に保つ
強い抗酸化作用を持つ
うなぎ、レバー、
モロヘイヤ、にんじん
ビタミンD カルシウムの吸収を高め、骨や歯を強くする いわし、鮭、
きくらげ、干ししいたけ
ビタミンE 抗酸化作用によって細胞膜を保護する
血管を広げて血行を促進する
ツナ缶(オイル漬け)、
アーモンド、豆乳、かぼちゃ
ビタミンK 血液を凝固させ、出血を止める骨を丈夫にする 納豆、ひじき、
油揚げ、めかぶ
ビタミンB1 糖質の代謝を助ける神経機能を保つ うなぎ、豚肉、
カシューナッツ、大豆
ビタミンB2 糖質・脂質・タンパク質の代謝を助ける 魚肉ソーセージ、
レバー、アーモンド、卵
ビタミンB6 タンパク質の代謝を助ける
脳の神経伝達物質の合成に関わる
まぐろ、鮭、
鶏ささみ、バナナ
ビタミンB12 赤血球の生成
DNAの合成を助ける
末梢神経の働きに関わる
しじみ、あさり、
牡蠣、レバー
ナイアシン 糖質・脂質・アルコールの代謝を助ける かつお、まぐろ、
豚レバー、鶏ささみ
パントテン酸 エネルギー代謝を助ける
副腎皮質ホルモンの合成に関わる
卵黄、納豆、
鶏肉、アボカド
葉酸 赤血球の生成
DNAの合成を助ける
レバー、枝豆、
ブロッコリー、アスパラガス
ビオチン 糖質・脂質・アルコールの代謝を助ける
皮膚の炎症を抑える
あさり、ピーナッツ、
卵、まいたけ
ビタミンC コラーゲンの合成を助ける
日焼けによるメラニン色素の生成を抑える
赤ピーマン、ブロッコリー、
キウイフルーツ、いちご

ミネラル

ビタミンと同様、身体に微量に存在し機能を助ける成分です。ビタミンと異なるのは、単一の元素であることです。炭素・水素・窒素・酸素以外の必須元素を指し、無機質とも呼ばれます。体内で合成できないため、食べ物からの摂取が欠かせません。

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」で基準が設定された13種類のミネラルについて、働きと多く含まれる食品の一覧を示します。

ミネラルの種類 主な働き 多く含まれる食品の例
ナトリウム 体内の水分量を調節する 食塩、梅干し、しょうゆ
カリウム 心臓や筋肉の機能を保つ
体内の水分量を調節する
アボカド、ほうれん草、
納豆、里芋、枝豆
カルシウム 骨や歯の材料になる わかさぎ、牛乳・乳製品、
油揚げ、大根の葉
マグネシウム 骨の材料になる
血管収縮を抑え、血圧を調整する
アーモンド、きな粉、
納豆、ひじき
リン 骨の材料になる
エネルギー代謝に関わる
豚ヒレ肉、鶏ささみ、
豆腐、ヨーグルト
赤血球の材料になる あさり、レバー、
小松菜、ほうれん草
亜鉛 免疫機能や味覚に関わる 牡蠣、レバー、
牛肉、チーズ
酵素の材料になり、代謝を助ける 牡蠣、カニ、
煮干し、レバー
マンガン エネルギー代謝や骨の形成を助ける しじみ、緑茶(玉露)、
玄米、そば
ヨウ素 甲状腺ホルモンの成分として、
エネルギー代謝に関わる
昆布、わかめ、ところてん
セレン 抗酸化作用が強く、活性酸素を抑制する まぐろ、わかさぎ、
いわし、たらこ
クロム 糖質・脂質の代謝を助ける あさり、あなご、
うなぎ、たけのこ
モリブデン 酵素の材料になり、鉄の代謝を助ける 納豆、おから、
油揚げ、ピーナッツ

五大栄養素をバランスよくとれる食事とは

五大栄養素は、いずれも身体の中で重要な役割があり、お互いに関わり合いながら身体の働きを支えています。どれかひとつに着目して大量に摂取するのではなく、バランスよく取り入れることが大切です。そのためには、どのような食事が効果的なのでしょうか?
ここでは、五大栄養素を十分にとるための食生活のポイントを解説します。

毎食の食事で主食・主菜・副菜を揃える

食生活の基本は、1日3食の食事で主食・主菜・副菜を揃えてとることです。それぞれの料理によって多く含まれる栄養素が異なるため、栄養バランスを整えるにはこの3つを揃えるのが効果的です。

主食

ご飯やパン、麺を主材料とする料理です。主に糖質の供給源になり、身体を動かすエネルギーに変換されます。
主食が多すぎるとエネルギーのとりすぎにつながりますが、主食を抜くとエネルギー不足で疲れやすくなるほか、おかずの食べすぎによって脂質や塩分のとりすぎにつながる恐れもあります。適量摂取を心がけ、1食あたり握りこぶし1個分を目安にとるとよいでしょう。

主菜

魚・肉・卵・大豆製品を主材料とするメインのおかずです。良質なタンパク質源になるほか、脂質も摂取できます。また、ビタミンB群などの微量栄養素も多く含んでいます。1食あたりの主材料の量は、手のひらサイズ1枚分が目安です。
栄養バランスを整えるため、さまざまな食品を取り入れましょう。特に肉に偏っている場合は、魚や大豆製品をとる回数を増やすのがおすすめです。
特にかまぼこは、魚のタンパク質をおいしく手軽にとれる食品です。毎日の食生活にかまぼこを活用し、食事のバランスを整えるのに役立てましょう。

副菜

野菜やきのこ、海藻などを主材料とするサブの料理です。ビタミンやミネラルの供給源となります。また、食物繊維も豊富に含まれ身体の働きを整える効果が期待できます。1日に小鉢5~6皿分を目安に取り入れましょう。

果物・乳製品を取り入れる

ここまで紹介してきた食事に加え、1日1回果物と乳製品をとると、さらに栄養バランスが整います。朝食と一緒に、または間食として取り入れるのがおすすめです。

果物

ビタミンCやカリウムの供給源になります。1日の摂取量の目安は、りんごなどの大きい果物なら1個分、みかんやバナナなどの小さい果物なら2個分です。

乳製品

牛乳やヨーグルト、チーズなどが当てはまります。主にカルシウムを補う役割がある食品です。また、タンパク質の不足を補うのにも効果的です。
1日分の量は、牛乳コップ半分・ヨーグルト小パック1個・スライスチーズ1枚をそれぞれ1単位と考え、2単位分を選んで食べましょう。例えば牛乳のみで取り入れるなら、1日コップ1杯が目安です。

五大栄養素を揃えたバランスのよい食事で健康を維持しよう

五大栄養素である「タンパク質・脂質・糖質・ビタミン・ミネラル」をバランスよくとることは、身体の機能を正常に働かせて健康を保つために重要です。
さまざまな食品を取り入れるには、主食・主菜・副菜を揃えた食事に、果物と乳製品を加えるのがおすすめです。まずは今の食生活を振り返り、五大栄養素の過不足を解消し健康で元気な日々を過ごしましょう。

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