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木工市「ハレのうつわ」~私たちが工房巡りで出会ったモダンな器たち

木工市「ハレのうつわ」~私たちが工房巡りで出会ったモダンな器たち

伝統工芸品のモダンな暮らし。
今、小田原漆器や箱根寄木細工の世界では、新しい作風が次々と生まれています。

鈴廣かまぼこのスタッフたちは工房を一軒一軒訪れひとつひとつ手に取り、「現代の暮らしをより美しく、心地よくする」木工品を少しずつ集めてまいりました。

そして冬、鈴廣かまぼこの里の催事「年神さまを迎える~ハレのうつわ~」として、思い入れがある品々を「ちりんちりん」と「ギャラリー&ショップ千惠」で展示販売いたします。お正月のハレの日にも、新年の暮らしにも使えるうつわたち。12月1日より2022年1月10日までの限定開催です。

新年を迎えるにあたり、家族の健康を願って食器を新調する方も多い季節、お客様とうつわの出会いが一つでも多く生まれますように。


1.木路 ~露木 孝一氏の箱根寄木細工~

 

箱根寄木細工とは、江戸時代に生まれた、異なる色の木を組み合わせて絵や文様を作る伝統工芸を指します。木を着色せずに、自然の木の色が織りなす美しさが魅力です。

 

「木路」は寄木細工の現代的な文様づくりに励む、職人露木孝一さんの工房です。露木さんが作る文様はとにかく独創的で驚かされるものばかり。たとえば、写真のお盆は「鬼滅の刃」に着想をえた意匠なのだとか。

 

 

黒、紫、茶色の木材を大胆にデザインした、なんとも存在感のある一枚です。コーヒーカップとお菓子をのせて、窓際でひと休み。かっこよく決まりそうです。

 

このお盆を選んだ鈴廣スタッフのコメントです。「欧米を訪ねた時に、友人の家に箱根寄木細工があることが度々ありました。家が木造でも、石造りでも、カントリー風でも、ラテン風でも、どんな家にも合うんですよ」。

 

 

お重箱も露木さんの手にかかれば、ぐっと現代的になるから不思議です。異国の空気も流れているような文様は、和にも洋にも溶け込みます。おせち料理に使っていただく以外にも、大皿代わりに前菜や主菜、デザートを入れて食卓に並べても素敵です。

 


2.金指ウッドクラフト ~金指 勝悦氏の箱根寄木細工~

 

箱根寄木細工に早くから新風を吹かせてきたのが、金指ウッドクラフトの金指勝悦さん。

金指さんといえば、独自に生み出した「無垢」という技法を使った作品が有名です。もともと寄木細工は、色の異なる木を寄せた細工ブロックをを薄くスライスし、それを家具などに貼りつける「ズク」という方法で作られていましたが、金指さんは寄木ブロックからそのまま器などの製品を削り出す「無垢」を生み出します。

 

無垢技法によって、「ズク」のつくり方では出せなかった曲線が生まれたり、組み合わせがとても面白いものができたりと、今までなかった意匠が次々に生まれました。

 

 

写真のプレートは「バラのお茶会」というテーマの作品。薔薇の花の幾何学模様がなんとも珍しく、うつわの表面だけではなく側面にも面白い文様が表れているのがおしゃれです。一点物なので、これぞと思う方はお早めにおこしください。

 

 

「金指さんは発明家。御年80歳を超える大ベテランでいらっしゃいますが、まだまだ新しいものを作ろうと工房には様々な試作品が並んでいます。工房にいかれて、金指さんのお話やパッションを体感していただきたいです」(鈴廣スタッフ)。

 

工房の近くには、箱根寄木細工に使うミズキ、カツラ、イロハモミジ、ヤマザクラなど10種類以上の樹木が並ぶ林もあります。

 


3.浜松屋 ~石川一郎氏の箱根寄木細工

 

箱根寄木細工の創始者といわれる「石川仁兵衛」氏の血筋をひく、石川一郎さんの工房「浜松屋」にも伺いました。

 

石川さんは先述した箱根寄木細工の技法「ズク」「無垢」に加えて、「木象嵌」という技術まで継承している希少な職人さんです。象嵌は異なる色の木材を使って風景や人物などの絵柄を作るもので、文様や模様づくりが主な「ズク」「無垢」と大きく異なります。

 

七福神や招き猫などの絵柄を木だけで作り出しているのが驚きです。

 

 

今回お取り寄せしているのが無垢で作った仁取盆(写真上)。仁取盆とは小田原漆器の代表的な木工品で、日本の暮らしに古くから使われてきたお盆です。厚みがあってどこか懐かしいフォルムのお盆に、石川さんがモダンな文様を施して作り上げました。

 

このお盆は寄木にしたブロックから、中央部分をくりぬいて作られています。これは高度な技術を要するのですが、そうすることでくり貫いた木材からもコースターやお皿を作ることができます。無駄が一切ありません。

 

「写真のお盆は薄い色の木材から作ったものですが、店頭には褐色に仕上げたお盆とお皿も用意しています。二色で揃えると、コントラストのかっこいいテーブルコーディネートにも使えると思います」(鈴廣スタッフ)

 

 

それから重箱も数点出品いただいております。全ての技法をマスターしている石川さんだからこそのユニークな作品をご覧ください。

 


4.大川木工所 ~ 大川 肇氏の小田原漆器

 

小田原漆器とは室町時代に箱根の山々の木から形を削った器に、漆を塗ったのが始まりとされています。小田原漆器の特徴は木目の美しさ。輪島塗などのようにうるしをこってりと塗らずに、木目で魅せようという考えです。

 

そのため、木目がきれいに見えるように、木からうつわを削り出す「木地挽き」という工程がとても重視されてきました。小田原唯一、木地師の伝統工芸士の国家資格を持つ大川 肇氏さんをご紹介します。

 

 

大川木工所の大川 肇さんは木地師でありますが、漆を塗ることもご自分でなさっています。どのような木目を生かしたいか一番よくわかっているからこそ、それを失わないように漆をぬっていらっしゃるとのこと。

 

 

それから大川さんは珍しい色の漆のコレクターでもあるのだとか。そこで、今回は赤や黒だけではなく、グレーや緑などの珍しい色漆のうつわを出品していただいています。セレクションした鈴廣スタッフの一人のコメントです。「赤と黒の漆しかみたことがなかったので驚きました。モダンな色漆はジュエリーケースとして使ったり、緑色のお皿はめったに見つけられないのでエスニックお料理にも使いたいです」。

 

塗りの魅力は使い手や使い方により徐々に風合いが出てくることにあります。グレーや緑も徐々に艶やかになってきたりと、この経年変化をお楽しみください。

 


5.石川漆器 ~ 石川 満氏の小田原漆器~

 

珍しい色合いの漆作品を見ていただいた後は、個性的な「石川漆器」の石川満さんの塗りものをご覧ください。

 

石川満さんは小田原と箱根地域で唯一、塗り師の伝統工芸士の国家資格を持っており、まさに塗りの芸術家。自ら色漆を調合し、うつわの生地に何度も漆を重ねてみたり、重ねるごとに漆の色を変えたりしながら、唯一無二の深みを出しています。

 

 

「漆が本当にきれい。買ったときはマット感があるけど、使い込むほどに艶や照りが出てくるそう。長くずっと使っていきたいと心から思います」と工房を訪れた鈴廣スタッフは言います。

 

石川さんは塗りだけではなく、デザインや木地挽きといったすべての工程を自ら行っているのも、分業が進んでいる他の地域ではなかなか見られないことだそう。

 

 

今回はお正月のお雑煮にも、毎日の味噌汁椀にも使えるお碗を中心にお取り寄せしますが、一点物の「高坏」もおすすめです。こちらは売り物ではなく、石川家が鏡餅を置くのに使っていたというアンティークもので、鈴廣スタッフが「かっこいいのでどうしても」とお願いして出品していただけることになりました。鏡餅はもちろんのこと、フルーツやお菓子、アクセサリー置きに使っても、暮らしに凛とした空気を放ちます。

 


6.ラ・ルース~小田原のヒノキのきもちのよい器~

 

今回の「ハレのうつわ」展を開催するにあたり、小田原箱根伝統寄木協同組合のみなさまに多大なるご協力をいただきました。その中でも、工房の皆さんへのお声がけからご協力くださったのが「ラ・ルース」の相田秀和さんです。

 

サーファーである相田さんは海をこよなく愛し、小田原の自然を想う気持ちがとても強い方。森の保全に必要な間伐が行われるようにと、利用用途の少ない間伐材を積極的に使っています。

 

ヒノキの間伐材で作った「ひきよせ」シリーズは日本でグッドデザイン賞を受賞し、欧米でも人気を博しています。これは間伐材をいくつか寄せてブロックを作り、お碗やお皿の形を削り出したもの。ヒノキの「ひきよせ」は空気のように軽く、手触りもシルクのような滑らかさ。本当に心地の良いうつわです。

 

 

今回は「ひきよせ」シリーズのほか、特別に年神様をお迎えするという企画テーマにふさわしいものを用意しようと、ヒノキの鏡餅を作ってくださいました。

 

 

毎年、新年に家々を守る年神様がおいでになり、鏡餅に宿られるといわれています。職人たちが小田原箱根の木々を中心に丹精込めてひとつひとつ作る木製品には、山々の神の息吹を感じます。ずっと使うことのできる鏡餅はいかがでしょうか。

 


7.薗部産業 ~生活に溶け込むうつわ~

 

様々な作品をご紹介してまいりましたが、やはり実際に手に取っていただきたいというのが私たちの思いです。お店にて木そのものの色や木目、使い心地を一つ一つ感じ取って、手に馴染むものをお求め頂きたいと思います。

 

「薗部産業」のプレートはまさに、五感がはたらくうつわです。桜、ブナ、ケヤキなどの個性異なる木材から作ったプレートで、色漆を塗らずに素材を直に楽しめます。

 

 

プレートは一見シンプルな形でありながら、手にすっと心地よくなじむように、ドレッシングやソースがこぼれないように、いい塩梅のフォルムに削られています。

 

また、薗部産業のうつわは丈夫なことでも知られています。木材からお皿の形を削り出すときにタテに切り出すという難しい手法を使うことで、割れにくくしているのだとか。中性洗剤とスポンジで優しく洗う等の基本を押さえれば、5年、7年、いや10年はもつ器です。

 

 

家族でプレートを揃えた鈴廣スタッフからひと言。「ぜひ、触れてほしいうつわです。木の温かみと柔らかさを感じて、深呼吸したような気持ちになります。大中小とサイズ違いを用意しておりますので、ご家族で店頭にいらして、それぞれ好みの素材と大きさの器をお選びいただきたいです」。

 


いかがでしたでしょうか。

伝統工芸品は古いものではありません。
技術の継承者たちが生み出す「現代の暮らしのおとも」と出会いにいらしてください。

 

 

「暮らしを潤す器とお飾りが揃う『ハレのうつわ』ギャラリー&ショップ千惠の展示販売」

詳細はこちら


概 要


日時
2021年12月1日(水)~2022年1月10日(月)
開催場所
神奈川県小田原市風祭245MAP
販売店舗
ちりんちりん/ギャラリー&ショップ千惠
お問い合わせ
TEL 0465-22-3191(9:00-18:00)